吉原　多恋人倶楽部『森田涼花』ブログ

澄み渡る青い空。だんたんと近づいて来る楽しげな声。
そして、自身の手に握りしめるは散々悩んだあげく勢いでポチってしまったイープラスのチケット。

あくる11月1日。私はやる気持ちを抑えて足早と東京ドームへ向かっていた。
目的はただ一つ。ポールマッカトニーの来日コンサートである。

毎年、ビートルズファン仲間である母上と行っていたライブであったが
幾度と無い”ポールが日本に来るのは、これが最後かも”という
どこからともなく襲い来る緊迫感で決して安くは無い紙切れを入手していた訳だが、
とうとうついには”また来るでしょ”のロマンの欠片も感じられない冷めた一言で片付けられてしまい
今年は私一人での参戦となってしまった。
ぐぬぬ、、薄情者め。。。



たしかに約11年ぶりの2013年の来日以来、2年スパンほどでで来日があり
しかも、ここ10年ほどはセットリストにあまり変化がなく
贅沢な話にもどこか新鮮味に欠ける内容となっていたのも原因の一つであった。

普段ならスルーしていた案件ではあったが、やはりドームで豆粒ほどであっても
貴重な実物のポールを毎回この目で焼き付けたい願望と
今年は待望のニューアルバム『エジプトステーション』のリリースされたことで決定権は動いた。
何よりもこのアルバム、前回の『NEW』よりも格段にポール節がふんだんに生かされたPOPな楽曲満載ですこぶる出来がいいのだ!
これはもう行くしか!!となんとか自分に言い訳を繰り返した結果、現状に至る。


神保町の某カレー店で腹を満たし体制十分。
グッズを買うため13時前には現地に到着。
ポールのグッズは、開始と公演1時間前に限り長蛇の列が出来るが　
その後は、特に苦労もせずスムーズに買うことができる。

森田が購入したのは、下記5点。







トートバック・ベストアルバム・パーカー・パンフレット・Tシャツ。


ベストアルバムについては、ソロのポールに関してもニワカな部分があり
ソロ時代初期〜中期。ウィングス時代は代表曲以外の知識が乏しいので勉強がてらに購入。



それ以外もまたもやナチュラルポールハイに陥り意外と多く買ってしまったグッズに
年に一度のことだから!と更なる自分に言い訳を重ね、素早く身につけてはその日1日だけの優越感に浸りドーム内を歩き回った。






また、他2冊の本に関してはドームに来た際は御用達のオークスブックセンターに行き購入。
ご存知の通りドームは野球の他にプロレス試合も行われるので元々スポーツ書籍に強い書店であるが
ここは毎度その日の公演に合わせた本を特集してくれるので空き時間を埋めるにはうってつけの場所なのである。

本を購入後、とにかくエジプトステーションの知識を深めたい一心で
近くのファミレスに入り時間まで食い入る様に読み漁った。



開場時間は16:00。予定より約20分ほど遅れてゲートが開きドーム内に入る。
ポールのファンは社会人でいえば言わば役職に長が付いててもおかしくない層だ。仕事に追われ忙しくもあるのが普通だ。
案の定、席はそれほど埋まっておらず奇妙にもマッタリとした雰囲気が流れていた。






開演時間まではステージ上で謎のDJが見事なミキシング技でポールのソロ曲やビートルズの楽曲を流し会場のボルテージを上げていく。



肝心の本人が現れたのは予定していた20分遅れての登場。相変わらず私の席から見る彼は顔も服装もハッキリ認識できないほどのミクロサイズだが いつもの様にサイドに設置された大型画面にポールが映し出されるとワァーッ！と一気に歓声が上がった。



ああ、、！おかえりなさい、ポール！

私も含め、みんなの心の声がそう言っているように聞こえた。


そして、1曲目のA Hard Day’s Night が流れもう気分は最高潮。

-When I’m home
everything seems to be right
When I’m home
feeling you holding me
tight, tight, yeah -

前回来ている観客としては逆に
“よく戻ってきたな！”と招かれているよう。
もっと彼の歌に包まれたいと願いつつ、それはもう今宵最高の夜への幕開けとなった。



下記、11月1日ver.のセトリ

 
1.A Hard Day’s Night
2.Junior’s Farm
3.Can’t Buy Me Love
4.Letting Go
5.Who Cares
6.Got to Get You into My Life
7.Come On to Me
8.Let Me Roll It
9.I’ve Got a Feeling
10.Let ‘Em In
11.My Valentine
12.1985
13.Maybe I’m Amazed
14.We Can Work It Out
15.In Spite of All the Danger
16.From Me to You
17.Love Me Do
18.Blackbird
19.Here Today
20.Queenie Eye
21.Lady Madonna
22.Eleanor Rigby
23.Fuh You
24.Being for the Benefit of Mr. Kite!
25.Something
26.Ob-La-Di, Ob-La-Da
27.Band on the Run
28.Back in the U.S.S.R.
29.Let It Be
30.Live and Let Die
31.Hey Jude

アンコール

32.I Saw Her Standing There
33.Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
34.Helter Skelter
35.Golden Slumbers
36.Carry That Weight
37.The End

感想としては、やはり開催2日間の変動はありつつもセトリの変わりばえがあまり無かったところが引っかかったが それよりもハッと気付かされた点がいくつかある。

Let it Beのスマホのライトをペンライト代わりにしたり、Hey Judeの大合唱は既におきまりのものとなっており
普通であればMC等でそれらを誘導するのであるが、例年参加しているファンがイベントを引っ張るという状態に何とも感動を覚えてしまった。
今回のポールの声はシャウトは出るものの、年齢のせいか中音域の伸びがあまりよろしくなくバンドメンバーでサポートをしている感じにも覚えてたが、観客も楽しんでサポートをしてるよ！という感じでまさに一体型ともいえるライブだったのだ。



また、今回最も目新しかったのは管楽器隊の導入。特にLady Madonnaのソロサックスのパートは妙に色気が出ていたし、OB-LA-DI,OB-LA-DAでは更に色が加わり賑やかなのに上品な曲に。
まだ曲の幅が広がるのか！とビートルズの曲の無限の可能性を再確認。


そして何よりも、待望であったエジプトステーションの楽器披露！
これは、アルバムから3曲と少なめではあったのですが リズムが複雑な曲もあるだけに生で聴けたのは本当に嬉しかった。
Fun Youのバックコーラスが美しさもさることながら
ポールがよく曲中で多用する「hoo〜!」も最高にクール。


細いところも挙げれば、曲ごとの照明の演出が抜群に良かった。
Let Me Roll It、印象的なイントロのギターに合わせてバックライトが光ったり
レーザーでウィングのマークを演出。
 Being For The Benefit Of Mr. Kite!ではサージェントペパーでお馴染みの緑やピンクと鮮やかながらも異様な不安を感じさせるサイケディクな雰囲気を見事醸し出していた。






こんなに照明の演出、多用だったけ?と調べてみると前回はスクリーンでの演出が中心だった様で
そこを比べても微妙な差別化がはかられているんだろうなと。




長くなってしまったが、とにかくどれを取ってもポールは最高の歌手&エンターティナーであり
とにかく音楽を愛しているのが幾つになっても伝わって来てる。
それが私たちの心を突き動かし、こんなにも多くの人々を未だ魅了しているのだから
ポビュラー音楽史上最も成功した作曲家としてギネスに表彰されているのも納得である。

ラストの曲、The Endの痺れるメドレーに心底心酔しつつ
天国の様な時間は割とさっぱり幕を降ろす。


毎回パワフルに30曲以上を歌い上げるポールであるが、かといっても年々老いゆく現実は変わらない。
日本が好きでツアー毎に来てくれることに感謝をしつつ
ポールがドームに帰って来る限り、また私もこの場所に戻りHey Judeを歌おう。
そう誓いを立てつつ、まだ余韻で煌めく東京ドームをそそくさと後にした。

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